【続】給与減事情。
本土で勤めていた時の収入と比べて沖縄ではどのくらい下回るのか、公表されているデータを閲覧してみました。
厚生労働省の調査データ。
収入の記事に書いたとおり、多数の沖縄移住ブログには収入減についての記事があるも、根拠となる具体的なデータを提示していないか、データがあっても出典明記がないブログがあり収入減の根拠が謎でした。
ただし沖縄移住後に収入が減少した事をブログで記事にしている方はおられますが移住前と移住後での詳細で具体的な金額は紹介されておらず、参考記事としては弱いです。そもそも本人の現在の給与を公表する方はいないと思います。
そういった事から調べてみると、いろんな法人のブログに根拠となるデータ、出典があり、このことから、厚生労働省のサイトにて公表されていることを確認しました。
概要。
厚生労働省のたくさんある調査から、「賃金構造基本統計調査の概況」で確認できます。今回は現在執筆時点での最新である令和4年の結果の収入を見ていきます。
はじめに、調査の目的に「この調査は、統計法に基づく基幹統計「賃金構造基本統計」の作成を目的とする統計調査であり、主要産業に雇用される労働者について、その賃金の実態を労働者の雇用形態、就業形態、職種、性、年齢、学歴、勤続年数、経験年数別等に明らかにするものである。」とありますので、他の項目も確認できます。
また、調査対象や調査条件などの「利用上の注意」から、日本にあるすべての会社から回答を得ているわけではないのが注意点です。ですが参考にはなりそうです。
賃金の定義は厚生労働省のサイトからご確認下さい。
引用出典:厚生労働省|賃金とは
男性と女性。
沖縄の賃金を見る前に、まず男女別賃金額を見てみます。
男性は年齢と賃金が連動して、55~59歳で 416.5 千円の賃金がピーク、その後減少しています。
女性も年齢と賃金が連動して、55~59 歳で 280.0 千円の賃金がピーク、その後減少していますが、男性に比べ賃金の上昇が緩く、30~34 歳男性の賃金とほぼ同一のようです。
賃金額は別として、男女の賃金差は沖縄でも起こっていると考える方が自然です。
公平でない女性の状況約100年を順に追い、5つのグループに分けて解説する「なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学」書籍があります。賃金差に関して記述されてます。アメリカが調査対象のため日本に全て当てはまらないですが具体的データが多いです。現在「キャリアも家庭も(手にする)」の第5グループにあるようです。女性の「結婚・妊娠・家庭」が仕事、キャリア、賃金への影響や、高学歴ほど賃金差が出るや、妊娠で一時的に会社を離れても「融通の利かない仕事」を行う男性の途切れないキャリア形成など分析が多いです。100歳超える女性の、母が働いてる時間に子供を預ける施設で良い教育を受けらるならそれが両方に良い、という考えに「その手があったか!」という感じです。
引用書籍:なぜ男女の賃金に格差があるのか 女性の生き方の経済学|出版社:慶應義塾大学出版会|著者:クラウディア・ゴールディン|翻訳:鹿田昌美
産業別(仕事別)。
ここでも沖縄の賃金を見る前に、産業別(仕事別)を見てみます。
男女合計で「電気・ガス・熱供給・水道業」(402.0 千円)が最も高く、次いで「学術研究,専門・技術サービス業」(385.5 千円)のようです。
最も低いのは「宿泊業,飲食サービス業」(257.4 千円)で、次いで「生活関連サービス業・娯楽業」(271.6 千円)のようです。
「生活関連サービス業・娯楽業」とは洗濯業,理容業,美容業,浴場業, 映画,演劇,スポーツ施設関連等、いろいろあるようです。
上記の産業別は沖縄にもあてはまり、さらにはサービス業が多い沖縄では賃金の減少は避けられないかもしれないと考えてしまいそうです。
沖縄県の賃金。
都道府県別賃金(男女計)から沖縄県を見てみます。
令和4年:沖縄県(252.0 千円)
なお、全国計(311.8 千円)、東京都(375.5千円)が一番高い。
都道府県別のグラフから確認すると青森県が最下位で、順番に見ていくと以下です。
青森県(247.6 千円)
宮崎県(249.6 千円)
沖縄県(252.0 千円)
岩手県(252.3 千円)
上記の県から沖縄県に移住される場合、数字上では移住後の年収はほぼ変わらないとも言えそうです。過去4年分は以下でした。
令和3年:沖縄県(250.8 千円)
令和2年:沖縄県(252.5 千円)
令和元年:沖縄県(251.3 千円)
平成30年:沖縄県(246.8 千円)
上記の額から社会保険料や、所得税、通勤または交通費などを除くと手元に残る額で生活は出来ると考えますが節約しないと貯金はできないと考えられます。
上記のようなわかりやすいデータのみ記事にしておりますが、事業規模別、月別賃金、時間毎賃金、外国人労働者への賃金などいろいろとあり、組み合わせで結果が変りますので、詳細は直接厚生労働省のサイトにて確認しご自身の状況と合わせて分析してみて下さい。
出典:厚生労働省|令和4年賃金構造基本統計調査の概況
まとめ。
・厚生労働省のサイトに具体的な数字が確認できる
・男女で賃金差がある
・沖縄県が最下位ではないが低い
国税庁のサイトと同様、厚生労働省のサイトでも男女の賃金差がありました。特に女性ひとりの移住は有利な資格の取得や特技、副業も考えておいた方がよいかもしれません。ただし上記の数字は目安のため、実際の収入減少は許容範囲内に収まる可能性も十分にあります。
読了頂きましてありがとうございました。次回に続く。
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